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  三戸
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 奥州南部氏の出発点、奥羽街道の宿場町
 青森県三戸郡三戸町六日町・川守田町・久慈町・二日町
 構成:商家・酒蔵・旅籠・西洋建築・城址 ■ 駐車場:なし
 
熊原川にかかる黄金橋近くの商家 

青森県最南、岩手県と接する小さな町三戸は、南部氏がこの地にやってきて最初に築いた城下町であり、近世奥州街道の宿場町でもあります。
甲斐源氏・南部三郎光行は文治5年(1189)、源頼朝による平泉藤原氏討伐の際の功により陸奥国糠部郡を拝領し、三戸を拠点とする三戸南部氏が誕生します。
その後、 領地の南方への拡大に伴い、拠点を現在の盛岡へ移転します。
三戸城はその後も破却されずに「御古城」とよばれ城代が管理しました。
現在三戸城址には天守閣様式の「温故館」という歴史資料館が建てられ、観光名所となっています。

ちなみに、七戸や三戸の「戸」とは南部氏の軍馬を生産する牧場経営の単位。9つの戸に分け、さらにそれらを東西南北の4つの「門」というエリアに配置しました。これが「四門九戸」制度です。

三戸の市街は町役場を中心に南は同心町から北は久慈町の約3kmに宿場町の面影を残しています。奥州街道にかさなる町の通称名にも城下町の名残を見ます。
町の中央部、二日町と八日町は当時定期市が交互に開かれ、宿場町の中心となった場所ですが、古い街並みはほとんど残っておらず、北端の久慈町から六日町にかけて伝統的な佇まいの旅籠建築や商家が多く見られます。

六日町には清酒「花開」の酒蔵があります。八戸酒類は戦時中の企業統制令によって八戸周辺の酒蔵が合併して現在にいたりますが、各蔵はそれぞれ独自のブランドを構築し高い評価を得ています。
三戸にはもうひとつ清酒「むかい鶴」の金五合資会社が八日町にありましたが、跡形もなく跡地はスーパーになっていました。「むかい鶴」は現在、八戸酒類・花開のブランドのひとつとなっていました。


久慈町から六日町にかけて宿場町の面影が残る

三戸町の酒蔵          
清酒 「花開」 八戸酒類・
花開工場
青森県三戸郡三戸町六日町22 03-3922-1399