会津の北方(きたかた)地域にその名が由来する喜多方は蔵の町であります。
人口4万人に満たないこの町に蔵の数おおよそ2600棟。喜多方は江戸初期から市が開かれ、やがて会津地方北部の流通の中心となる在郷町へと発展していきました。物資の集積地となれば多くの蔵が建てられ、蔵を建てることが喜多方の男のステータスとなりました。蔵を建てることを競い合い、意匠もさまざまな形、装飾が凝らされています。
喜多方には酒蔵が多い。喜多方の酒造家の多くは郷頭や肝煎、町の有力な商人が多く
かつての喜多方の繁栄ぶりが伺えると共に、それらの酒蔵の建物も重厚で文化財的価値のあるものが少なくありません。
もう一つ、太平洋と日本海の中心にあった喜多方の町には、二つの海の海産物が集まり、独特の食文化を生み出します。その中の一つが喜多方ラーメン。この喜多方には
130軒ものラーメン店があります。私が最初に喜多方へ訪れたのもこのラーメンの聖地が目的でした。
喜多方の中心部、1丁目・2丁目・3丁目は新仲町・本仲町・下町という旧称でも呼ばれ、銀行や商店、酒蔵などの土蔵や商家がならぶ喜多方最大の街並みですが、今は一部商店街のアーケードに埋もれ、街並みは飛び飛びに建っている状態です。
一方で北町・中町・南町の街並みはまとまりがあり、景観も勝っている気がします。
しかし。いずれの街並み、またそれ以外でも一際目立つ建物の大部分は酒蔵の建物であるといっても過言ではありません。
ラーメンを「はしご」しながら、酒蔵めぐり。喜多方でしかできません。
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