岩手県一関市と接する宮城県最北の町・金成町には奥州街道の宿駅が3つあり、南から
沢辺、金成、有壁と続きます。国道4号沿いに残る沢辺、金成からはすでに宿場町の面影は失われてしまいましたが、金成町市街から約10km離れた、有馬地区には旧有壁宿を偲ばせる面影が残されています。
県道に接する宿場の入口に建つ酒蔵は、かつて脇本陣を務めた萩野酒造で、そこから郷愁感漂う風景に変わります。有間川を渡ると右手に現れる伝統的な佇まいの旧家が奥州街道唯一の現存する有壁宿御本陣です。
有壁宿は元和5年(1619)に奥州街道の宿場町として整備され、有壁新町には本陣と脇本陣の他74軒の旅籠がありました。国指定史跡となっている本陣には東北諸藩のほとんどの藩主が宿泊す、明治天皇も東北巡幸の際に利用したといいます。
有馬川の景色や旧街道沿いに建つ民家の景観など、小さな宿場町ですが見所は沢山あります。
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