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  贄川
にえかわ
 秩父札所巡礼で栄えた秩父往還の宿場町
 埼玉県秩父郡荒川村贄川 【埼玉県秩父市荒川贄川】2005年合併

 構成:商家・旅籠建築 ■ 駐車場:なし
 
 

秩父から甲府へ通じる旧秩父往還、国道140号線を西へ約12km。荒川の源流に位置する荒川村。秩父鉄道の終点である三峰口駅はその名の通り霊峰三峰山の玄関口。
駅から荒川に架かる白川橋を渡り、国道から分岐した県道が両神・小鹿野方面へ抜ける河岸段丘上に、宿場町の面影を色濃く残す贄川の集落があります。
集落はいまなお「贄川宿」という名称を使用しており、現在の秩父往還においては唯一、往時の佇まいが残されています。贄川の歴史は古く、戦国期から見える農村集落で、水田を耕作する平坦な土地が皆無のこの地において、絹や横麻、煙草や大豆を生産し、農間期には材木筏流しで生計を立てていた小村でした。
しかし、江戸時代ごろから往来の活発になった秩父往還沿いに町場が発達し、やがて毎月2・7の六斎市が立つなど周辺諸村における生活物資の集散地として発展。
さらに三峰山信仰や秩父札所巡礼がブレイクし始めると、含め多くの参詣客が押し寄せ、贄川は宿場町へと発展していきました。
現在、贄川では季節ごとにさまざまなイベントを行い、秩父を訪れた観光客がわざわざ足を運んでおり、建物の景観も含めてこの家並みを大切に残して行こうという姿勢が見られます。
ただし、この贄川を通過する県道は、大型車が大滝方面から小鹿野方面へ抜ける事ができる唯一の道であり、現在大滝村に建設中のダムに関わるダンプなどがひっきりなしに行き交い、集落の静寂を奪っている点が惜しまれます。