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小鹿野は、埼玉県最西端、群馬県と接する秩父郡最奥の町。古くから西秩父一帯の中心地として発展し、伝統的な商家や旅籠が軒を連ねます。
小鹿野の地名は、古代神話で日本武尊がこの地を「小鹿の野原」と呼んだことに由来するとか。戦乱の世には関東侵攻のための拠点とされ、甲信越勢力による幾度もの争奪合戦が繰り広げられた地でもありました。
小鹿野地域は耕地面積が少なく林業と養蚕業で生計を立てていましたが、江戸時代に入ると幕府領となり、中山道裏街道における秩父路最後の宿場町として賑わいを見
せ、山間の僻地にもかかわらず六斎市が立つ市場町として発展していきました。
また小鹿野の経済圏は西秩父だけでなく、国境を越えて接する上州中山郷(群馬県上野村)にまでおよびます。中山郷は商業圏を持たない陸の孤島であったために、地理的に近かった小鹿野に特産品や資本が集まり、小鹿野を西秩父経済の中心地として発展させた要因の一つとなったのです。
小鹿野は長い間、大宮郷(秩父市)から独自性を保った在郷町でしたが、現在はわずかに往時の佇まいを残す小さな町です。しかし、古い伝統的な商家などは修復され、建物の説明板が設置されるなど、街並みを保存する様子がうかがえました。
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