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 東京の酒蔵・田村酒造場「嘉泉」
 東京都福生市大字福生626 
 
 
米軍横田基地がある町、福生の外れに重厚な佇まいの白壁の酒蔵があります。
「嘉泉」を造る田村酒造場です。福生駅から徒歩約15分、玉川上水沿いに広大な屋敷が見えてきます。古くから福生の豪農にして豪商、名主もつとめた家だけに、まるで玉川上水を堀に見立て、武家屋敷や本陣を思わせる御成門をもち、樹齢100年のケヤキの大木が白壁の酒蔵を取り囲んでいます。

文政5年(1822)創業の田村酒造は明治中期まで総本店として、多摩、神奈川、埼玉に24の店蔵をもっていました。それらの蔵の中には総本店をはるかに上回る生産量の蔵もありましたが、田村酒造はあくまで高品質・少量生産にこだわったそうです。
酒蔵の敷地内には秩父奥多摩伏流水が湧き、酒蔵の初代田村勘次郎は「正にこの水は良き泉、喜ぶべき泉なり」と言ったことにちなんで酒の名を「嘉泉(かせん)」と名付けられました。

「嘉泉」という蔵でなにより特筆すべきなのは、この田村酒造場は現在も会社組織の形態をとっていません。そして、当主は代々「田村半十郎」を名乗っています。すべてが往時のまま時代を超えて今に続いているのです。

 田村酒造場HP