西国方面から木曽路最初の宿場町、つまりは木曽路最後の宿場町でもある馬籠は、急峻な山の斜面に形成してしるのが特徴で、木曽11宿の中でも異色の宿場町として観光客で賑わいます。馬籠の立体的な町並みと美濃方面を望める展望は、険しい木曽路の終了を感慨する、もしくは振り返ってこれから始まる木曽路越えに臨む当時の旅人の気分にさせてくれます。
文豪島崎藤村はこの馬籠の出身で知られていますが、その祖先である島崎家は中山道初期から明治まで一貫して馬籠の本陣、問屋、庄屋を兼ねていた家柄でした。
島崎藤村が生まれた本陣をはじめ馬籠宿は明治28年の大火で消失してしまいます。
現在の町並みは、島崎藤村の小説「夜明け前」で脚光を浴び、注目を集めたことを機に復元されたもので、古い建物はありません。ただし馬籠は造らた街並みですが実際に住民が生活している集落でもあり、昼間は飲食店や民宿が営まれていますが、観光客がいなくなった夜間や早朝には住民の生活の姿があり、昼間とはまた違った風景を見ることができます。
馬籠がある山口村は2005年2月に隣の岐阜県中津川市に越県合併し物議をかましました。今となってはこの項も岐阜県の章に載せるべきなのですが、木曽路に属しているので、あえて長野県に残しました。
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