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  戸倉
とぐら
 豪商酒井家と北国街道の宿場町
 長野県埴科郡戸倉町戸倉・磯部 【長野県千曲市戸倉】2003年合併

 構成:商家・酒蔵・土蔵 ■ 駐車場:坂井銘醸P
 
 
中山道の整備とほぼ同じ時期に北国街道(北国脇往還)の整備は始まりました。宿駅設置の為に街道沿いに移住された戸倉村は上戸倉宿と下戸倉宿に分かれ、両宿合わせて一宿として機能していました。下戸倉宿が1日から21日まで、上戸倉宿が22日から末日まで交代で宿駅を行います。このような特殊な事情の為に矢代宿や坂木宿のように加賀藩の定宿となることもなく、庶民や一般の武士、文人墨客の利用が大かったと言われています。

現在の北国街道は、ほぼ踏襲する形で国道19号線となり交通量も多く、沿線には宿場町を偲ばせる建物はほとんど見られず、いくつか往時を偲ばせる建物も状態は芳しくありません。しかし、戸倉駅近くの交差点に堂々と建つ巨大な茅葺きの商家がひときわ目を引きます。この建物は古くから信濃屈指の大地主で酒造業を営む坂井銘醸
で、このほか敷地内には400年の間に立てられた建物群がイベント施設や資料館など文化交流施設として公開利用されています。
苗字帯刀を許されていた戸倉宿の豪商坂井家と柳沢家はそれぞれ酒蔵を営み、坂井家は「下の酒屋」として柳沢家は「上の酒屋」と呼ばれていました。
本陣も務めた柳沢家は明治以降に衰退し、建物も残されていません。 旧上戸倉宿にあたる磯部地区には本陣小出家と問屋玉井家が残されています。旧道が国道からそれているために、本陣・問屋のあたりは宿場町の雰囲気を留めた静かな一画となっています。
酒井家は明治になると酒造業の他、温泉開発と戸倉駅誘致に奔走し戸倉温泉の礎を築きました。
 


 
 
戸倉の酒蔵          
清酒 雲山

坂井銘醸

長野県埴科郡戸倉町戸倉1855 026-275-0033