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正式には「こむろ」だが地元では「こもろ」と呼ぶ増穂町小室地区。日蓮宗妙法寺の門前町として発達した集落で、参道沿いには茅葺き民家や旅館が立ち並ぶ姿が今も残されています。
徳栄山妙法寺は日蓮宗小室派の本山として繁栄した古刹で、武田信玄、織田信長、徳川家康と常に手厚い保護を受け続けてきました。妙法寺は初め真言系山伏の寺でしたがこの地を訪れた日蓮と法論を戦わせて敗れ、日蓮を毒殺しようとするものの失敗。日蓮宗に下ります。この時日蓮に変わって毒入りの餅を食べた犬を、日蓮が妙法の力によって生き返らせた事から、小室山毒消し秘妙符が起こったと言われています。
集落の入口に立つ山門を潜ると、道は妙法寺まで一直線に続きその両側に旅籠が数棟並んでいます。江戸期を通し明治・大正期まで多くの参詣客で賑わった門前町も今は閑散とし、人影はほとんどありません。
江戸時代中期まで妙法寺総門の前に口留番所が設けられていました。かつてこの小室門前を西郡路が通っていたからでしたが、時代とともに北側へ移り、やがて青柳宿を起点として曲輪田・武田・円井を経て甲州街道に合流し諏訪方面へ至る甲州街道の脇往還として変わっていきます。その道筋は現在の主要地方道韮崎櫛形豊富線にかさなります。
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