一路一会古い町並みと集落・甲信越>山梨>下今井
  下今井
しもいまい
 甲州街道沿いに残る海鼠壁の家並み

 山梨県北巨摩郡双葉町下今井 【山梨県甲斐市下今井】2004年合併

 構成:長屋門・土蔵 ■ 駐車場:なし
 
 
現在の甲州街道国道20号線は勝沼の手前で、旧道の南側を迂回するバイパスとなり韮崎を過ぎるまで旧道と合流する事なく併走します。旧道は一部の区間では国道を乗り継ぎ、また一部は主要地方道もしくは町道とつなぐ複雑な道筋を踏襲しています。
甲府市街から国道52号線になる甲州街道は竜王町から町道となり、狭い丘陵部の町道を双葉町へ進みます。
中央自動車道双葉ジャンクションの南側に位置する丘陵上の集落下今井には海鼠壁の土蔵街が街道風景として残されています。甲斐国内には古くから「今井」という地名が各地に存在し、混同を避けるために志田今井と称していた時期もありました。
後に現在の下今井となりますが、”下今井”という地名もやはり多くあります。
江戸時代に甲州街道が五街道のひとつとして整備される以前は、中世武田氏が整備した軍道にはじまる諸街道のひとつ”穂坂道”の宿場町でもあり、近郊農村の諸産物を集め甲府城下へ運ぶ下今井〜甲府間を特に関屋街道とも呼んでいました。
甲州は江戸時代に富士川水運が整備され、太平洋沿岸地域との交流が盛んであった為に伊豆半島発祥のナマコ壁が多く持ち込まれます。
下今井の町並みはおそらく養蚕業が盛んな明治期以降に建てられたものと思われますが、寺町・中町・下町という通称地名も残り、街道時代の面影を偲ばせていました。


奥に見えるのが中部横断自動車道