小幡は筑波山から鹿島神宮をつなぐ参詣道筋の集落で、さらに真壁方面への分岐点だったために、多くの旅人や参詣客で賑わいました。そのために公式な宿場ではありませんでしたが、農業のかたわら副業で宿場的商いをしていたとされます。
小幡集落の地名には上宿・中宿・下宿の名が見られ、事実上の宿場町的存在だったことが伺えます。当時の幕府の記録にも小幡・柿岡・片野の各村の3名主が連名で副業の願書を提出したというものがありました。
現在も残る小幡の街並みは農村地帯でありながら、普通の街村とは異なるあきらかに宿場の商いを前提にしたと思われる形をしており、あまり他では見られない独特の雰囲気を持っています。この近くに、日帰り温泉施設があるのですが、その周辺にも茅葺きの屋敷が散見されました。 |