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  葛生
くずう
 石灰で栄えた豪商の町並み
 栃木県安蘇郡葛生町中央東 【栃木県佐野市葛生東】2005年編入

 構成:豪商屋敷・商家・町家 駐車場:観光P

 
 
栃木県の南西部にある葛生町は古くから良質な石灰の産地であり、江戸城の修築にも使用されたと言います。実際足尾山地から産出される「野州石灰」は「八王子石灰」を圧倒し、急速に関東一円にシェアを伸ばします。
明治に入ると産出量はさらに拡大、大正期には大規模なドロマイト鉱床が発見され
「鉱都葛生」としての礎が築かれ、セメント工場の進出が相次ぎます。

現在も関東最大の産出量を誇る葛生の中心市街には、石灰で富をなした豪商の屋敷が際だって目を引きます。その周辺にも古い商家が所々に残っていて、「鉱都葛生」の歴史を偲ばせると共に、町はこれらを観光資源として町並みの一画に資料館を設けていましたが、個々の建物をどれほど改修保存していくかは分かりません。

葛生は石灰の産出により多くの豪商を生み出した一方で、地理的には隔絶され、街道筋や物資の集散地などで商いを行うことが不可能であった為に商業は発達せず、あくまでも鉱業従事者の町としての域を出ることはなく、発展が停滞している様子です。さらに近年、周辺幹線道路沿いに大型商業施設の出店が相次ぎ、町の中心部の衰退に拍車をかけています。