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上大沢は奥能登の門前町と接する輪島市西端の集落で、間垣の里として知られています。間垣は日本海からたたきつけるシベリアの風や台風から集落を守るための防御シェルターで、能登半島を初めとして日本海沿岸には西は山陰から東は青森まで、呼び名は違うものの各地で見ることができます。
上大沢もまたリアス海岸の三方を山に囲まれた小湾の集落で、南北朝期の古くからその名が見え、江戸期に上大沢と下大沢に分村しています。
上大沢は
上大沢は小さな入江、男女滝(なめたき)川の河口付近に十数軒の民家が肩を寄せ合い、海からの強風に絶え続ける集落です。
この集落の名を知らしめたのが、数多い板張りの間垣が大半を締めるなかで、竹垣である事です。
土塀やブロック塀と違い、竹の先端の細い部分を並べた間垣にはすき間があり、このすき問が、人の力も及ばぬ強風から家を守るうえに、間垣自体の耐用年数も延ばすという、まさに先人の知恵の結晶なのです。
竹垣を支える柱と梁の部分はアテの木を使い、2m間隔で立て、横木を1mの間隔で渡しています。また地中に突き刺す部分は腐食を防ぐために、焼いて炭化し1.2mほど埋め込みます。耐用年数は普通のアテなら30年、カナアテを使えば50年と言われます。物理学も無い時代に、長い年月をかけて気候風土が生み出した、人の知恵、土木技術に脱帽です。
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