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  上滝
かみだき
 立山連峰の登山口に賑わった町
 富山県上新川郡大山町上滝 【富山県富山市上滝】2005年合併

 構成:商家 ■ 駐車場:なし
 
 

富山県の南東部を占める大山町は、県下で最大の面積を持ち、長野県や岐阜県と接する自治体です。霊峰立山連峰から富山湾へ一気に駆け下る扇状地は肥沃な富山平野を育んでいます。この富山平野扇状地の扇頂部の谷口部の河岸段丘上に形成された大山町の中心部、上滝地区はすぐ側を流れる常願寺川を境にした、東の立山町と共に立山連峰への玄関口で、主に富山・関西方面からのアクセスを担っています。

上滝は古くからこの地域の中心であり市場町を形成していました。江戸時代に加賀藩に願い出て、天保2年(1831)に町立市場が開設され、九斎市立が立つ物の20軒に満たない寒村でした。それでも立山信仰の登山口にも位置していたことから、新川郡唯一の在郷町へと発展し、立山温泉が繁盛すると上滝は人馬継立所も設けられます。

肥沃な富山平野と豊かな伏流水。まさに日本酒造りには欠かせない恵まれた要素ですが、それらを育む願成寺川は1/66の勾配率をもつ全国一の急流河川であり、古くから河川流域に災害をもたらしてきました。皮肉にもそれが上滝を繁栄へと導きます。
上滝はこの頻発する常願寺川の水害復興事業の前線基地として賑わいました。それらは今も続き立山連峰の砂防工事、電源事業開発の基地として変わる事はありません。
最も、変わったのは交通環境であり、鉄道と自動車により上滝は必ずしも前線基地である必要はなくなり、再びこの地域の中心商店街へと回帰してしまいます。
閑散とした商店街には、所々に残る塗籠造りの伝統的商家がかつての繁栄の歴史を静かに語り継いでいました。


 
 
 
大山町の酒蔵          
  「鷹泉」 鷹泉酒造 上新川郡大山町上滝399
  「滝鶴」 滝鶴酒造 上新川郡大山町上滝420