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  有松
ありまつ
 「有松絞り」で栄えた東海道の商業集落
 愛知県名古屋市緑区有松
 構成:町家・商家・土蔵 ■ 駐車場:なし
 
 

名古屋のベッドタウンとして開発が進む有松には、奇跡的に大規模な江戸時代の街
並みが残されています。有松は宿場町の街並みと紹介される事もありますが、正確
には東海道53次の宿場町ではありません。鳴海宿と池鯉鮒宿間約12kmの治安対策
として尾張藩により街道町(茶屋集落)が造られました。
しかしこれといった産業もなく、正式な宿場町が前後にあった為に旅人相手の商売も成立せず衰退の危機に陥ります。
そこで尾張藩によって有松存続策が実施され、移住者によって木綿絞り染めの技術が持ち込まれました。知多半島は木綿の産地でもあり、尾張藩の保護の元「有松絞り」が確立します。東海道を行き交う旅人相手に独占販売権を与えられた有松の絞商人は富を築き、街道沿いの商人町として特異に拡大していきました。

有松の町並みは大火で一度消失し、その後現在の町並みに見られる耐火性のある土蔵造り建築となりました。これほどの街並みが国の重伝建に選定されていないのは不思議でなりませんが、現在登録へ向けての運動が行われているようです。