岐阜と愛知の県境に流れる木曽川沿いの城下町犬山。その木曽川を見下ろすようにそびえ立つ犬山城は国宝四城の一つで最古の城。さらに個人所有の城なのです。
犬山城は室町時代末期に築かれ、戦国時代、関ヶ原の戦いと時代を乗り越え、尾張藩付家老成瀬正成が城主となり幕末まで続きます。犬山藩は尾張藩の内藩なので正式な藩ではなく、独立した藩となるのは明治維新以降の事。その後廃藩置県によって取り壊される所、元城主であった成瀬家が天守閣のみを修復を条件に譲り受けました。
街並みは大きく分けて、本町・中本町・練屋町と新町・魚屋町・東余坂に集中しています。魚屋町にはかつて呉服商を営んだ豪商・奥村家の重厚な商家が一般公開されています。しかも驚くのはこの商家がフランス料理店となっていること。
古い商家を文化財として飾るのではなく、商店として利用する事は良い事だと思います。そしてそこでどのような商売をするか、店造りなどは経営者のセンスがものをいいます。
犬山の町並みの中核となる本町筋は犬山城の正面通りにあたり、呉服屋や酒屋を集め活気づくように造られました。本町筋と平行する加治屋町・練屋町と街並みが広範囲に連続しています。国宝犬山城に対し、城下の街並みはあまり知られてはいませんが、是非とも今の姿を残してほしいと思います。
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