旧東海道の道筋には、往時を偲ばせる旧宿場町がいくつも残っている事は知られていますが、宿場と宿場の間の道中にも、所々古い家並みを見ることができます。
豊川市内の東海道宿場町は御油宿があります。その手前の国府町から小田渕町・蔵子地区にも伝統的な商家が散見されました。もっとも町並みを形成するほど、建物が集まっているのが国府町・新栄町で、商店や銀行が集まる商店街の中にあります。
国府町はその名のとおり、古代三河国の国府が置かれた場所と思われますが、学術的には別の場所である説が有力とのこと。室町期から江戸期にかけてはこの一帯の総称として「府中」と称されていました。
国府村と白鳥村はいずれも御油宿の定助郷でしたが、なかでも街道に面した国府町では古くから市が開かれ、江戸期以降も4と9の日に六斎市が立ち、五穀や薪・青物などが取引されていて、在郷町としても長い歴史を持つ町で、現在も豊川市西端部の中心市街となっています。
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