名古屋の中心部の北西約3km。庄内川を隔てた堤防のかげに小さな街並みがひっ
そりと残されています。この小田井地区は、行政区画上は名古屋市西区と西枇杷
島町にまたがっていますが、古い街並みは名古屋市側の中小田井にあります。
江戸時代に尾張藩は名古屋城築城にともない、岩倉方面から枇杷島へ青物市を搬
送するための岩倉街道を整備しました。
農村集落だった中小田井の街道沿いには行き来する人々を相手に味噌、醤油、油
などの生活用品を販売する問屋や商家が立ち並び、やがて在郷町へと発展します。
現在残る小田井の街並みは、明治24年の美濃地震後に建て替えられたもの。
名古屋の近郊市街地としてすぐ裏手まで開発の波が押し寄せていますが、名古屋
市が町並保存地区に指定しており、しばらくの間はこの街並みが失われる事はな
いと思います。
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