美江寺は小さな宿場町である。その場所は樽見鉄道の美江寺駅があるため、その路線を辿っていくとすぐに分かります。大垣駅から4つめの駅です。
美江寺の町を横断する主要地方道が旧中山道でありそこが美江寺宿です。現在街道沿いに数軒の商家が残されている程度ですが、当時も実質的に間の宿的な小さな宿場町でした。家数は136軒、人口は582人、本陣1、脇本陣はなし、旅籠屋は11軒です。
美江寺は犀川と五六川の間にあるため、豪雨のたびに宿の前後の道筋が冠水。それがこの小さな宿場町の存在意義であったようです。
旧中仙道は美江寺観音の前で直角に南へ向きを変えます。町の名となる美江寺は、養老年間に伊賀より十一面観音を移した事で、水害が治まり「美しい江」となった故事に由来します。養老3年に天台宗美江寺は創建されますが、戦国期の兵火で失われ、現在の岐阜市内に移転しており、現在の岐阜市内には美江寺と美江寺町があります。
そのため現在この宿場町に美江寺という寺院は存在しません。美江神社の境内に建つ美江寺観音がその遺構であり、この観音は織田信長の命によって建立されたといわれています。
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