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  白川郷
しらかわごう
 日本最大飛騨合掌集落の里
 岐阜県大野郡白川村荻町
 構成:茅葺き飛騨合掌造り民家 ■ 駐車場:観光P
 
 

白川郷は庄川の源流部に位置する秘境の里。ここも平家の落人伝説が残っていますが、他にもれず歴史的証拠は残されていません。富山の五箇山とならび合掌造りの里として有名ですが、59棟もの家屋が密集する規模は圧巻。他の様式の茅葺き集落を含め、全国最大規模ではないでしょうか?

かつて荻城が築かれた城山展望台からは、まさに絵に描いたような合掌造りの集落全体が俯瞰できます。合掌造りの民家は大家族制と養蚕の為に考案された先人の知恵。耕作地が少ないため分家することが許されず、長男以外の妻は労働力として実家で生活する、いわば別居の「妻訪婚:つまどいこん」。生まれた子供は母方で育つのだといいます。集落を見ていて気が付くことに、ほとんどの建物が妻側を一方向に向けている。これは合掌部の通風をよくするために、風の流れに沿って建てたからなのです。

茅葺きの民家は古い昔の建物であるイメージがあり、さらに合掌造りのシンプルでかつ大胆な造りはさらに時代を遡ったものであると思いがちですが、これは明治以降に全国で大ブレイクした養蚕業のために設計された様式で、歴史的に見ると新しい建築なのです。

かつて庄川には荻町を上回る合掌集落があったのですが、 すべて巨大な御母衣ダムの湖底に水没してしまいました。