三重県伊賀地方を代表する銘酒で、嘉永6年(1853)創業「若戎」の若戎酒造がある青山町阿保を訪れました。
阿保は大和と伊勢を結ぶ伊勢街道(初瀬街道)の宿場町として栄え、上野街道や八知街道が分岐する交通の要衝でもありました。江戸時代になると上野城主藤堂高虎による独占的商業保護政策により商業の町として発展します。
伊勢詣が全盛の時代、各地から伊勢へ通じる街道はすべて伊勢街道を呼ばれていました。この阿保を通る伊勢街道は奈良県桜井市初瀬にある長谷寺へ至る道でもある事から初瀬街道ともよばれていましたが、伊勢へ通じる他の街道を区別して阿保街道もしくは青街道、青越え道とも呼ばれていました。
自動車時代を迎え国道が木津川を挟んだ対岸をバイパスした為に旧道沿いの町並みは残る事が出来ました。伊勢街道の宿場町は明治以降の鉄道や国道の整備によって衰退いましたが、阿保は青山町の中心市街地として今に至ります。
商店街には、旅籠建築が数軒と仕舞屋となっている商家が随所に見られ、伊勢大神宮の常夜灯が往時を偲ばせています。
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