松阪の中心市街から南の郊外へ約7kmほどいった櫛田川沿いに、かつて伊勢白粉と呼ばれもてはやされた水銀鉱石の加工と販売で富を築いた松阪商人の集落があります。
伊勢地方独特の黒板張りの土蔵群で知られる中万集落もまた、隣接する射和同様に丹生産の水銀鉱石を加工販売して財を築いた中万商人の集落です。
中万は江戸期から射和寺の門前で市が立ち、後に心光寺に移って中万市・えびす市・福の市としても賑わっていました。
現在は静かな農村地帯となっている中万ですが、細い街道筋にそって屋敷が密集し、街村を形造っています。かつての繁栄はもはやありませんが、近田家・堀本家・竹口家など中万商人の家並みが今も残されています。
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