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  市場庄
いちばしょう
　伊勢参宮街道沿いに残る半農半商の街道集落

　三重県一志郡三雲町市場庄　【三重県松阪市市場庄町】2005年合併

■ 構成：町家・土蔵　　■ 駐車場：なし
 
 
松阪市の北に隣接する三雲町。その中央付近を縦貫する伊勢参宮街道（伊勢別街道）沿いに沿った伝統的な町並みが残る市場庄地区があります。
市場庄の地名は中世松ヶ島城の市場町にちなむとされ、近世以降は伊勢参宮街道沿いで多くの参詣客相手に半農半商で生計を立てた街道集落として発展しました。
江戸期に市場庄の特産に「市場白」と呼ばれた松阪木綿があります。江戸期にはこの一帯で木綿が栽培され、農家で作間稼ぎに木綿布が織られはじめると「中ノ庄紬に市場木綿」と呼びはやされた「市場白」ブランドの上質な白木綿が松阪木綿として販売されていきます。
村の中央を伊勢別街道が屈曲しながら縦貫。街道筋の村は街村を形成し半農半商の商いとして旅籠屋、煮物売店、茶店など旅人相手の店を営んでいました。
長野の本棟造りにも似た市場庄の大型の切妻妻入りの民家は、敷地の北側いっぱいに建物を建て、南側にまとまった庭を確保している事が特徴です。そしてやはり伊勢地方独特の板張りにオダレを軒先に設けていました。
これほどの町並みとなると、さすがに行政も景観整備に務めるとともに、観光資源としても活用する様子が伺えます。それでした店舗もなく観光駐車場も無いため、観光客もほとんどいないひっそりとした町並みが非常に好感がもてました。そしていつまでもこの町並みの存続を願わずにはいられません。