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  二軒茶屋
にけんぢゃや
 伊勢参宮の玄関港として賑わった茶屋の町並み
 三重県伊勢市神久6丁目
 構成:商家・土蔵 ■ 駐車場:店舗P
 
 

伊勢湾に繋がる勢田川の河口には古来より2つの湊がありました。
大湊(現・大湊町)と神社(かみやしろ・現・神社港)は古くから宋や明との貿易も行われていた国際港でした。またこの湊は、全国より海路を経て伊勢神宮へ参拝する舟参宮の玄関港でもあり、ここで舟を乗り換えて勢田川をさかのぼり、神久の二軒茶屋より上陸するのが通例のコースでした。神久は伊勢神宮の外宮、内宮の中間に位置し、さらに遊郭街として名高い古市へも最短な場所であった為、事実上の玄関口となり、多くの参詣客が海を渡ってこの地に上陸しました。
明治5年には、明治天皇がこの二軒茶屋から上陸して神宮へ参拝しています。

この神久の河港から伊勢神宮へ通じる街道筋に、二軒の茶屋「角屋」と「湊屋」が商いをはじめました。そして以後このあたりを「二軒茶屋」と呼ぶようになりました。現在の二軒茶屋には天正年間(1573)創業の二軒茶屋餅と地ビール工場が、古くから続く伝統的な建物や土蔵を利用し、往時を偲ばせる街並み造りを行っていました。