穂谷は枚方市の最東端、淀川の支流、穂谷川上流の山間高地に形成された山村集落で、大阪府・京都府・奈良県の境界に位置する小さな里です。 地区の入り口には関西外国語大学のキャンパスが広がり、枚方市民の自然農園なども開発されていますが、そこからさらに奥へと登っていった先には、生駒山脈の北端斜面に形成された大きな家々が複雑に密集する隠れ里のような集落がありました。穂谷は古くから大阪圏に属していますが、奈良との境にあるためか、大和棟造りの民家が多く見られます。
大阪の中心部へ20kmほどの場所にあるこの穂谷は農業を中心とした集落ですが、「河内素麺」として知られる副業の素麺づくりは200年の歴史を持ち、今でもその素麺を作っている家があるといいます。下界から孤立したような集落ですが、この穂谷から大和国へ入る道の一つ”穂谷越え”があり、古来より人や物資の往来もあったようです。
穂谷には枚方市で唯一の日本酒の蔵元、重村酒造場があります。ほぼ地元だけで消費される極少量生産の幻の蔵と言われています。穂谷の集落を歩くと大きな家には重村の姓が多くみられます。
|