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  在原
ありはら
 奥琵琶湖山中に残る小さな茅葺き集落
 滋賀県高島郡マキノ町在原 【滋賀県高島市マキノ町在原】2005年合併

 構成:茅葺き民家(伊香造り)  駐車場:あり
 
 
海津の北約5km、乗鞍岳の南麓に伊香造りの茅葺き民家の里「在原」があります。

伊香造りの民家というのは、入母屋造りの茅葺き屋根の最上部の破風に「前垂れかざり」という独特の飾りを付けたのが特徴です。この地方の民家は入口を妻側に造った妻入りなのですが、これをここでは「小間入り」といいます。
妻側が家の正面になるので、目立つ破風に装飾が施されました。

在原と聞いて、ピンとくる人は少ないと思いますが、平安時代の歌人で在原業平という人物がいます。「伊勢物語」の主人公にもなっている人物ですが、このお方がこの地に住んだ事から”在原”の地名がついたと言われています。
集落のはずれには在原業平の墓があります。最近までこの集落には「都言葉」が残っていたともいいますが、おそらく在原業平が事実でないとしても、近畿地方最北の隠れ里である為に、古くから都落ちした貴族や落人などが隠れ住んだのではないかと推測されます。

近畿地方の茅葺きの里と言えば京都府美山町の北集落が有名ですが、この在原集落の最大のみどころは”素朴さ”にあります。在原集落は箱庭のような小規模な地形と集落の配置、それに小ぶりな建物の大きさが、まさに”日本むかし話”の風景そのものなのです。