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高月

たかつき

「観音の里」として知られる渡岸寺門前の農村集落

滋賀県長浜市高月町高月 【旧・伊香郡高月町2010年合併】

 


奥琵琶湖の東岸に位置する高月は「観音の里」と呼ばれています。町内にある20余りの寺社には20体以上の観音像があり、その中でも国宝の十一面観音が置かれているのが、高月町の中心部に隣接する渡岸寺の観音堂。地名にもなっている渡岸寺は天平8年に建立された古刹で、最盛期には湖北中から信仰を集めた寺院でしたが、たび重なる戦火で消失。現在の観音堂は大正14年に再建されたものです。無住・無宗派の寺院で、実は少し西にある向源寺の管理に属する観音堂となっています。この渡岸寺周辺は寺内町の様相を呈していまが、ただしあまり古い建物は残されていません。



高月の町は高月町の行政機関が集まる渡岸寺に隣接する、北陸本線の東側、旧北国街道である国道8号線に挟まれた地区にあります。「高月」という地名は渡岸寺と同じ天平年間に創建された高槻神社に由来します。高槻神社は「延喜式」にも記された式内社で、当時の地名はこの神社と同じ「高槻」と書かれました。しかし、平安時代に公家学者である大江匡房(おおえのまさふさ)によって「高槻」から「高月」に改められ、高月郷が生まれています。改名の理由は月がきれいに見える地だったからとか。



高月は北国街道にも面していましたが、特に街道渡世を目的とした町場が発達したようでもなく、商店街が形成されるのは明治に入って北陸本線が開通してからの事。昭和の合併で旧高月町が生まれた時の自治体は北富永・南富永・古保利の3村で、高月は南富永村の大字のすぎませんでした。長い間純粋な農村地帯でしたが、日本電気硝子やヤンマーディーゼルなどの工場や関連企業が進出してから町の中心部が発展していったようです。




酒蔵情報

清酒

「湖の誉」

山岡酒造

滋賀県長浜市高月町西阿閉1395

0749-85-5167