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嵯峨鳥居本
さがとりいもと
 風光明媚な里の風景が残る愛宕神社の門前集落
 京都府京都市右京区嵯峨鳥居本
商家建築・土蔵・かやぶき民家・商家  なし  JR山陰本線・嵯峨嵐山駅
 
 
嵯峨野の観光は、まず渡月橋から始まり、竹林、古刹などを巡ったのち田園風景を通り抜けて愛宕山をめざすのが通例です。そして嵯峨野めぐりを締めくくるのが愛宕神社の門前集落として発達した嵯峨鳥居本の街並みです。
愛宕街道沿い600mにわたり、およそ50棟の伝統的な民家や商家が立ち並ぶ国の重要伝統的建造物保存地区に選定されている門前宿で、住民によって結成された『嵯峨鳥居本の町並みと環境を守る会』によって街並みが整備されてきました。

嵯峨鳥居本は他の地域同様に、紅葉の季節に訪れるのがベストです。街並みは国の重伝建地区に選定されているものの、修景事業が始まった時期がすでに遅かったのか、それともかぎられた予算の問題か、建物の修築は”とりあえず”的な感じが否めず塗籠造りの商家などは模造かと思うような姿で、さらに観光商店化が拍車をかけていて、街並み維持の難しさをあらためて感じさせました。

街並みが終わりに差しかかる、愛宕神社の一の鳥居前に切妻や入母屋型の茅葺き民家や商家が連なります。嵯峨鳥居本といえばこの街並み。個人宅なので必要以上に手が加えられておらず、良い感じに苔がむしています。
とまあ、ここが京の嵯峨野の地ゆえ期待が大きく、少し酷評してしまったものの、紅葉の季節になると、さすがと風景が格調高く変化します。

最後に、鳥居本の地名の由来は、愛宕神社の鳥居前にあるからではなく、8月15日に行われる「京の大文字」こと五山の送り火での「鳥居形」の梺に広がる町並みからきています。