大和三山は、大和盆地南部に点在する天香久山(あまのかぐやま)、畝傍山(うねびやま)、耳成山(みみなしやま)の三つの山の総称です。その中で耳成山は大和三山の中で最も低い山ですが、死火山の生い立ちを持つために最も綺麗な円錐形をしています。ゆえに「耳無し」の意味で耳成山と呼ばれるようになったと云われています。
この耳成山の近くには近鉄大阪線の耳成駅や地域の小中高等学校などに耳成という名が使われていますが、現在は耳成という名の地名はありません。昭和31年(1956)に耳成村・鴨公村・畝傍町・八木町・今井町・真菅村が合併して橿原市が誕生し耳成の地名は消滅したのです。しかし、この地域の総称として今も耳成という名は起こされているようです。この地域を東西に走る初瀬街道沿いの山之坊と石原田町あたりには往時の街道風情を残す家並みが残されていました。中世室町期ごろから初瀬街道沿いに人家が進出し、一本木村と呼ばれる出垣内が形成されていったと云われています。
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