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  三本松
さんぼんまつ
 伊勢街道青越道の旧道筋に残る街道集落(琴引)
 奈良県宇陀郡室生村三本松(琴引) 【奈良県宇陀市室生区三本松】

 構成:商家・町家・旅籠建築 ■ 駐車場:なし
 
 
室生川沿いの断崖に彫られた弥勒磨崖仏や女人高野と称された室生寺で知られる室生村の名張よりに三本松という広域の大字地区があります。この三本松は江戸初期には長瀬村といい、江戸中期に長瀬上村・長瀬中村・長瀬下村・古大野村・髭無村の五か村に分割され、明治8年に再度合併。村内にあった3本幹の老松にちなんでその名が付きました。江戸期には伊勢街道の宿場町として旅籠や茶屋の姿があったいわれています。近鉄大阪線三本松駅の南口である通称地名の長瀬や中村地区には宿場町を偲ばせる平入厨子二階の建物が軒を連ねますが、駅の北側から山の斜面を縫うように走る旧道沿いの旧長瀬上村・現在の琴引地区の狭い道筋にも往時を偲ばせる街村が形成されていました。集落の半ばには榛原と名張を示す石の標識も残り、この道が旧伊勢街道青越え道であった事に疑う余地はありません。
国沿いにある道の駅宇陀路室生は奈良へ訪れた際にはしばしば利用していましたが、まさかその斜向かいの斜面にこのような街並みが残されていたとは思いもよりませんでした。
旧長瀬村を通る伊勢街道筋には農村の余業として茶屋や旅籠が広範囲にわたり軒を連ねたと思われます。明治に入り現在の国道にあたる新道が建設されましたが、それら街道沿いの半農半商の街並みが近世まで賑わった事は、今残る街並みからもうかがい知る事ができます。
 
 
室生の酒蔵          
清酒 「精華」 精華酒造 奈良県宇陀郡室生村三本松4181 07459-2-2011    
清酒 「福十徳」 多山酒造 奈良県宇陀郡室生村大字無山378 0743-82-0023