奥出雲町の中心市街から北へ約3km。JR木次線出雲三成駅から宍道方面へ1駅目の出雲八代駅のある八代地区にも古い家並みが残ります。この一帯は古くは「出雲風土記」にも記されている仁多郡四郷の一つ、布施郷にあたり、初めは布世と書かかれていましたが、神亀3年に布施と改められました。江戸期にはこの地域内に3ヶ所の鉄山があり、この鉱山と共に町は発展します。八代村は街道に沿って街村を形成し、物産のタバコや柿、香茸は大原郡の木次や大東へ、人参は松江へ、麻は備前岡山へと街道沿いの立地を生かして各方面へと移出する在郷町となります。
明治22年に八代、馬馳(まばせ)、上三所、佐白の四か村が合併して布施村となり、昭和30年の合併で仁多町の一部になります。旧街道に沿った商店街は往時を偲ばせる姿で残り、県道がバイパスしているために、町はとても静かです。かつて布施村では酒造業が盛んでしたが、最後に残った一軒、八千代酒造は廃業して、新しく設立された第3セクターの奥出雲酒造に引き継がれました。
八代川を渡ると馬馳地区へ、出雲八代駅はこの先
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