江津市の中心部から大田方面へ約10km、隣の温泉津町に接する市の北西端に位置する黒松町は沿岸漁業の最盛期に一大漁場として発展した典型的な漁業集落ですが、旧道に沿って宿場町のように家々が軒を連ねているのが特徴です。昭和初期まで集落の女性によるサバやワカメなどの行商基地としても知られていました。
集落はJR山陰本線・黒松駅と黒松海水浴場の間を南北に貫く街道沿いに並ぶ街村で、家々は街道に対して平入り。一般的な古い漁村集落に見られる迷路の様に入り組んだ密集した集落とならなかった理由は、まず地形が一般的な漁村集落が形成されているような土地の少ない小さな入江ではなく、広大な砂丘地帯である事。つぎに山陰道という主要街道が通り、半漁半商の街道渡世で成り立っていたのではないかと推測します。
黒松町から浅利町の海岸線にある風力発電ファーム
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