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  市瀬上板井原
いちのせかみいたいはら
 山奥に残された廃村寸前の集落
 鳥取県八頭郡智頭町板井原

 構成:茅葺き民家・土蔵 ■ 駐車場:あり
 
 

智頭の市街地から北東4km位の山中に廃村寸前の山里があります。市瀬上板井原とよばれるこの地区は、板井原トンネルの開通によってアクセスが多少容易になったものの、やはり閉ざされた山奥の村に変わりはありません。この板井原の住所は現在、大字も省略され智頭町板井原となりますが、隣接する用瀬町板井原の他、鳥取県下には沢山の「板井原」があるので、ここではあえて市瀬上板井原として紹介します。

この市瀬上板井原集落は、廃村寸前のいつ無くなってもおかしくない集落で、無人の家も多く、わずかに残された住民も高齢者で、豪雪地域でもある冬の間は町場の仮屋に一時退去するという状態です。集落に入って最初に目に入る、赤波川沿いの民家は町指定の文化財で、 入母屋造りの茅葺き民家と味噌蔵、蔵、養蚕作業場が並び、一部の建物は喫茶店として改装され営業しています。これは、智頭町による集落保存事業の一環です。

この集落が今後どのような姿になっていくのでしょうか。こういった集落は全国に数多くあります。無住となった村をやみくもに保存・博物施設としても莫大な費用と維持費が発生します。しかも
そのような「ハコ物」に決して観光客は定着しません。これは全ての街並みや集落における永遠の課題であり、特にこのような隔絶された集落は特に住民が中心とならくてはその存続はあり得ないのです。