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全国的に知られる広島の「酒都」と呼ばれる西条の町。その南約15kmの瀬戸内海に面した小さな港町「安芸津」もまた古い歴史をもつ”酒どころ”であり、広島の軟水にあった醸造法を生み出した「広島酒の祖」の地として、この安芸津が無ければ西条も無かったと言えるのです。
安芸津の酒造家・三浦仙三郎によって生み出された軟水醸造法は三津流と呼ばれ、多くの三津杜氏によって全国に広められます。三津は「摂津灘に対し下灘」と称され、名実ともに天下の銘醸地の面目を発揮しました。
しかし、最盛期には5軒あった酒蔵も、今は2軒だけとなってしまいました。
古くより天然の良港だった三津は、奈良時代には海上交通の要衝となり「安芸国の良い津」と呼ばれた事が現在の町名につながります。江戸時代より藩米の積出港として発展し、村民のおよそ半分近くを商人が占めるようになり、やがて農民の中にも酒造、味噌醤油造、職人を兼ねる者が現れます。
現在、安芸津駅近くに立つ「関西一」の 柄酒造と、山裾に立つ「富久長」の 今田酒造本店の2つの蔵が伝統的なたたずまいの重厚な酒蔵を残しています。
2つの蔵を結ぶ細く入り組んだ道筋には、大正〜昭和初期のレトロな建物が随所に残されています。西方の町はずれ、三津大川と宮崎川の先にはお酒の神様を祀る松尾神社がありました。
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