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吉舎
きさ
 石見銀山街道の宿場町
 広島県双三郡吉舎町吉舎(七日町) 【広島県三次市吉舎町吉舎】

  商家・町家・酒蔵・土蔵・洋風建築  なし  JR福塩線・吉舎駅
 
 
吉舎は(きさ)と読み、三次市の南東に位置する小さな町。古くから山陰道と山陽道をむすぶ石見街道は、備後国内における瀬戸内海沿岸部と山間部を結ぶ重要な道でもあり、吉舎は中国山地の中心地である三次盆地への出入口の町として栄えました。

室町期から戦国期にかけて古市にはじまり七日市・四日市など”吉舎市”が立ち、今日の町の原形が成立します。承久3年(1221)後鳥羽上皇が隠岐島へ配流される途中、この地に泊まり「御叡慮に叶い候哉、吉き舎り(よきやどり)」と語ったことから吉舎の名の由来になったといいます。

江戸時代に入り、大久保長安によって急激な発展を遂げる石見銀山からの銀の輸送は、それまでの温泉津港から中国山地を縦断して尾道から積み出すルートに変わり石見銀山街道が整備されます。銀の輸送隊は相当な規模にのぼり、吉舎は重要な宿場町となりました。

古い街並みは七日市地区に多く集まっています。その入口馬洗川に架る巴橋の先に構える重厚でレトロな建物が福六酒造の社屋(旧吉舎郵便局)。建物の裏手には大きな白壁の酒蔵が並んでいます。

私自身「吉舎」という地名ははじめてで、この小さな町に観光で訪れる人はまずいません。しかし明治・大正から昭和初期へとつながるレトロで郷愁感ただよう吉舎の町は、ごく自然な生活感が感じられ、なかなかどうして心地良い街並みでした。
 
 
 
 
 
吉舎の酒蔵          
清酒 「福六」 福六酒造 広島県双三郡吉舎町378-1 082443-2006