|
|
広島県中部の中核都市、三次市と庄原市。いずれも中国山地の南側に開けた盆地に形成された歴史ある都市で、古くより城下町そして市場町として栄えていました。
西の三次は深い霧でつつまれる都市として有名で、江の川源流の可愛川に支流西城川・神之瀬川・洗馬川などの河川が町の中心で合流する水の都でもあります。中世末期に五日市町、十日市町そしてやや遅れて内町が成立し、それら三つの町人町を合わせて三次三ヶ町と称していました。
江戸時代になると、広島藩宗家から分家し、わずか88年で本藩に吸収されてしまう運命にある三次藩5万石の城下町として政治・経済の中心地として発展します。
三次の夏の風物詩である鵜飼は、初代三次藩主浅野長治によってもたらされたものです。
廃藩後は、山陰と山陽をつなぐ石州街道(または石見銀山街道)の宿場町、また在郷町として栄え、広島北部の中心地へと発展していきます。
三次の街並みは、市役所のある十日市地区では無く、巴橋を渡った三次町にあります。JRの駅で言うと尾関山駅周辺。しかしながら「広島の小京都」と謳われる割には、往時のたたずまいを残す歴史的な建物はそれほど多くはありません。
西城川に沿った旭堤沿いの一部に京風な街並みが見られ、本町通り商店街には本卯建を上げた重厚な商家が残されていますが、それ以外の町家は切妻平入りで袖卯建などの意匠は残しているものの、改築の度合いも高く、明日にでも取り壊される様な状態です。
しかしながら城下町らしく入り組んだ複雑な裏路地には、古いたたずまいの町家などが所々残されており、意外に細い路地などを時間をかけて散策すると、また違った街並みを発見するかもしれません。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|