兵庫県姫路市の西郊外。国道2号線が夢前川を渡ってすぐの場所が青山です。
現在の国道2号線は近世の西国街道、律令時代の古代官道・山陰道をほぼ踏襲して敷かれており、青山はその街道沿いに発達した町場でありましたが、正式な宿場町では無かったようです。この青山は西国街道と因幡街道(出雲街道とも)が分岐する追分の町で、安政2年(1855)に建てられた石の道標が今も残されているといいます。
夢前川は橋が架けられていた時期と徒歩で渡る時期があったとされ、増水時には川止めの宿場町的な役割も果たしていたと思われます。
現在の町並みには旅籠建築に類する建物は一切残されてはおらず、しかし重厚な塗籠造り、土蔵造りの商家建築が数多く見られます。近世以降は山陽道・出雲街道や夢前川水運の河港をかかえた姫路城下の玄関口に位置する、諸産物が集まる商家町として発達したものではないかと推測します。
周辺地域は宅地造成が進み、この旧道沿いの町並みにもその波は徐々に忍び寄っていました。
|