備前市に北接する吉永町のさらに北部、八塔寺山の麓に美しき茅葺きの里があります。
八塔寺とは集落の中心にある天台宗八塔寺とその門前に発達した山間集落の事で、
その歴史は古く、今からおよそ1200年前の神亀5年に聖武天皇の勅願で創建された十三重塔・七堂伽藍・72の僧坊を持つ山岳仏教の道場として盛況を極めます。
さらに時代を経て鎌倉将軍家の祈願所となり、江戸時代には岡山藩の庇護を受け続け発展しましたが、明治4年の廃藩置県で寺領を没収され困窮した八塔寺の僧侶たちは、付近で採った薬草を原料にした薬を作り売り歩いて生計を立てていました。
八塔寺台地に形成された、豊かな山間集落も時代とともに過疎化が進み、住民の総意で茅葺き民家群を生かした観光開発を計画、昭和49年に岡山県”ふるさと村”の指定を受けました。
しかし知名度が低いうえにアクセスが良くない為、観光客が少なく、それはそれで個人的には好ましいのですが、集落としては複雑なところもあり、さらにその存亡にも関わってくるもので、今後の成り行きが心配されます。
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