一路一会
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地頭
じとう
成羽往来と高山往来の分岐する小さな町
岡山県高梁市川上町地頭【旧・川上郡川上町】2004年合併
商家・酒蔵・古民家
役場・農協P
JR伯備線・備中高梁駅からバス
岡山県の西端中央部に位置する山間の町、川上郡川上町。同県にはもうひとつ、鳥取県と接する北端部に真庭郡川上村というのがあって、少々紛らわしいですが2005年の合併で真庭市となって消滅。今回の川上町も高梁市に合併してその一部となりました。
旧川上郡川上町の中心市街が地頭といいます。地頭とは鎌倉時代に生まれた荘園の管理執行職ですが、岡山県には地頭という名の地名が他にもいくつかあります。いずれも、地頭の居館が置かれた場所に由来しますが、この川上郡においては定かではありません。
ただし、中世におけるこの一帯の荘園の支配は、地頭方と領家方に分かれて運用されていたと言われ、街道の要衝でもあったこの地域は地頭の管轄だったようです。
笠岡から山陽道の井原を経へ地頭、成羽から松山城下(高梁市)へ至る成羽往来と、高山市を経て備後東城へ至る高山往来がこの地頭から分岐していました。
在郷町としては紙の原料である楮(こうぞ)や漆の集散地であり、また紺屋や酒造の株を持つものもあって、近年までこの小さな町に2軒の酒蔵がありました。(現在は酒造りをやめてしまった模様)
現在の地頭にかつての旺盛はまったくありません。町おこしでオリジナルキャラクターと共に「きじ丸商店街」と名乗る商店街もシャッター仕舞はおろか、ほとんど店舗も無く普通の街村の状態です。そもそもこのキャラクターは「マンガ文化の町づくり」を進めていた旧・川上町に名誉町民に祀られた漫画家の富永一郎作。かつてはTV番組「お笑いマンガ道場」に出演していましたが、すでに知る人ぞ知る過去の人。
そもそも、この地に縁もゆかりも無い同氏を、この山の中に引っ張ってきた企画の発想そのものが、すでに郷愁を帯び、町に一層の虚無感を漂わせている感じに見えました。
レトロな造りの旧・川上町役場
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川上町の酒蔵
清酒
「国吉」
浅野酒造
川上郡川上町地頭1849-2
0866-48-3005
清酒
「吉備美人」
山本酒造
川上郡川上町地頭1844-1
0866-48-3006
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