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  倉敷
くらしき
 白壁の蔵屋敷が立ち並ぶ天領の町・倉敷川美観地区
 岡山県倉敷市本町

 構成:商家・町家・土蔵・酒蔵・旅籠 ■ 駐車場:観光有料・民間有料
 
 倉敷川美観地区
 

 

全国的に有名な一大観光地・倉敷美観地区。倉敷川に沿って白漆喰になまこ壁の土蔵や商家など蔵屋敷が建ち並んだことから「倉敷」と呼ばれたこの大都市も、かつては海に浮かぶ小島と漁村であったとは、とても想像できません。
古くより高梁川の土砂沖積作用による陸地化に加え、江戸時代になってからの新田開発の干拓事業によって陸地はどんどん拡大・南下し、現在の下津井にいたる半島状の陸地が形成されていきした。
倉敷は備中における物流の動脈である高梁川とそこから引き込まれた倉敷川をはじめとする水路や運河により物資の一大集地として今に残る蔵屋敷が建ち並びます。
さらに備中、美作、讃岐の三国に散在する天領60万石を支配する代官所が置かれ、倉敷は政治・商業の中心となり、豊かな後背地を控えた商業と問屋の町へと発展していきました。

倉敷の村政は「古禄派」と呼ばれる、倉敷発展に指導的な役割を果たした13軒の特権商人によって長く世襲されてきましたが、干拓による農地の拡大、人口増加によって新興商人が台頭してくるようになります。
「新禄派」と呼ばれた25軒の振興商人は古禄派による独占支配の撤廃を幕府へ訴
え、長い戦いの末に勝利します。
その新禄派の中に、倉敷紡績の祖であるとともに労働問題の改善に取り組み、また大原美術館など文化活動やさまざまな社会活動に貢献した大原家がありました。
今も大原家関連の建物が「美観地区」の大部分を占め、国の重要文化財である旧大原邸をはじめ大原美術館や紡績記念館など大原家の倉敷をはじめとする、日本の近代化への貢献ぶりが十分伺えます。

倉敷の魅力としては、重厚な蔵屋敷が並ぶ倉敷川沿いの街並みに加え、その裏手にある本町通りの街並み欠かすことはできません。観光に特化した倉敷川とは違い、生活のある町でもある本町通りにも往時のたたずまいを残す街並みが続き、倉敷の地酒森田酒造や創業100年の老舗旅館・吉井旅館をはじめ骨董屋や食事処、居酒屋など地元の商店街でもあります。
そして観光客の姿が減り、居酒屋の提灯が灯し出す夕暮れにこそ倉敷散策のもう一つの魅力があると思います。

 
 
 
倉敷の酒蔵          
清酒 「萬年雪」 森田酒造 岡山県倉敷市本町8-8 086-422-0252