|
|
月田は城下町勝山町の南約6kmの場所にある、宿場町のような佇まいを残した、のどかな農村集落です。古来より月田郷の中心として市場が成立していたと言われ、江戸時代になると高田(勝山)から備後東城へ至る東城往来(美作ルート)沿いの市場町として発達しました。現在も小字で”市場”の名が残されています。
月田は古くから木材・茶の産地としても知られ、特にヒノキは「月田檜」の名で岡山市場においても高値で取引されていました。木材の搬出は月田川を、高瀬舟の往来の終点である勝山まで「管流し」で運び、勝山で筏を組んで岡山城下に運ばれていました。幕末ごろになると手内職として竹細工も盛んになり、明治期には70人以上が従事していたといわれています。
月田川に沿う形で緩やかなカーブを描いて形成された街並みは、厨子二階の伝統的な町家が軒を連ねていました。その街並みのなかで最も伝統的なたたずまいを残す商家が地酒「旭川」の中井酒造の酒蔵ですが、現在酒造りを行っているのかは定かではありません。
岡山県酒造組合の名簿にも載っておらず、完全な地元消費の酒蔵としてほそぼそと酒造りを行っているかもしれませんが、訪れたときは休日だったので確かめる事ができませんでした。
月田川沿いを歩くと、表通りをはまるで異なる水辺集落の風景があります。 |
|
|
|
|