周囲を山で囲まれ、わずかな盆地の中央を肱川が蛇行してながれる大洲の町は加藤家大洲藩6万石の城下町として栄え、「伊予の小京都」と呼ばれています。
大洲市役所のすぐそばに、NHKのドラマのロケ地になった「おはなはん通り」という蔵屋敷の街並みを中心に、町家地区など非常に密の濃い街並みを残しています。
漆喰の剥がれ落ちた姿が風情を醸し出す風景は佐賀県の肥前鹿島浜町に通じるものがありますが、やはり修復が必要なのでしょう。
この街並みが壊され、ビルやマンションが建つことは無いと思いますが、この独特の風景が修復される前に、と大洲には過去3度ほど訪れていますが、その景色は一項に代わらず、かえって不安がよぎります。(2009年、大規模に修繕整備され、白壁の町並みになってしまいました。)
肱川沿い大洲神社の麓には大洲藩主の遊賞地に明治の貿易商河内寅次郎がおよそ10年の歳月をかけ、数寄屋造りの粋をつくしたとされる臥龍山荘があります。
また臥龍山荘周辺の町屋は入り組んだ小路が多く、下町の長屋のような街並みがあります。大洲は四国の中で首位を争う街並みだと思いますが、この街並みが重伝建に選定されなていないのが不思議でなりません。
大洲市の東端、五十崎町と隣接する新谷という町があります。かつては大洲藩から分知した1万石の陣屋町でしたが、現在も酒蔵が2軒あり訪問できなかった事が悔やまれます。
(2007.3)
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