香西とは昨今の市町村合併で生まれたような地名ですが、その歴史は古く中世以前にさかのぼり、「香川郡」を東西に分割して「香西」の名が生まれたといいます。現在は高松市の西方にある小さな港町の町名です。
中世、讃岐の豪族香西氏が備讃瀬戸警備の本拠地としてこの港町を整備し、戦時の防備に備え町内は迷路の様に入り組んでいます。
歴史とロマンに胸おどらせて香西を訪れましたが、ひときわ目を引く白壁の廻船問屋の屋敷以外にそれほど古い家屋残っていませんでした。迷路のように入り組んだ路地には塗籠造りの伝統的な建物がいくつか残されています。ガイドブックなどで紹介されその名が知られるようになった香西地区は街並みを整えて残そうという様子が見られ、訪れた時も路面の改修中でした。
江戸期には高松藩に手厚く保護され本州との連絡港として発展したそうですが、時代の変化に取り残され、現在は静かな船着き場となっています。
(2006.8) |