徳島県の脇町に対し高知県内最大規模の白壁の街並みで知られる吉良川。
土佐漆喰の白壁に水切り瓦が特徴で、街並みは整備保存されています。
古くは貴良河と記された荘園にあり、戦国期ころから吉良川と記されるようになりました。小さな漁村だった吉良川が廻船業によって在郷町へと発展していくのは江戸中期頃からで、明治に入り本格的に栄えます。
今に残る吉良川の白壁の街並みは明治中期以降に建てられたものです。
吉良川の街並みは大きく2つの地域に分かれます。一つは旧街道筋にそって白壁商家の街並みが連なる浜地区。もう一つは「いしぐろ」と呼ばれる石垣塀が連なる素朴な農村集落からなる丘地区です。
まるで異なる2つの風景をもつ吉良川の町ですが、水切り瓦もいしぐろも台風の多いこの地方が生み出した生活の知恵なのでした。
(2006.8)
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