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  檮原
ゆすはら
 幕末の志士を輩出した山間の小さな町・消えゆく茅葺きの里
 高知県高岡郡檮原町檮原

 構成:檮原地区・商家  本村地区・かやぶき民家 ■ 駐車場:なし
 
つい近年まで、山肌に食い込むような茅葺き民家が数軒ありました
標高450m、四国山地に抱かれ土佐のチベットと呼ばれる檮原は辺境の町でありながら土佐と伊予を結ぶ交通の要衝でもありました。この道は坂本竜馬脱藩の道として知られています。また、この山間の村檮原は幕末には多くの志士を送り出し、勤王の村と呼ばれるほどでした。

この地域を古くは津野荘と呼び、土佐藩領下では津野山郷とされ郷の行政を司る大庄屋が檮原村に置かれていました。大庄屋が置かれた地区を「本村」と呼び土佐の山間部には「本村」と名のつく地区がたくさんあります。

檮原町の本村は現在、上本村と下本村に分かれていますが、ここに独特な建て方をした茅葺き集落があります。
今回この集落を目的で訪れたのですが幾度探してもそれらしいものは見つかりません。付近の農家の方にお話を聞くと昨年立て替えられたそうで、当時の写真を見せていただきました。
その後案内されかろうじて残っていた1軒を写真におさめることができましたが、取り壊されるのは時間の問題で、一足遅かった事が非常に悔やまれました。
時の流れに驚かされます。この集落が県指定のかやぶきの里として登録されていたにも関わらずです。住民へのケアがなにも無かったのでしょうか?

さて、交通の要衝に発展し、重要な警備拠点だった檮原の市街にはノスタルジックな雰囲気はありますが、残念ながら街並みというほどのものはありませんでした。

(2006.8)

檮原の街並み