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椿泊は阿南市の南部に突き出た椿泊半島の先端の小さな漁村です。近年まで陸の孤島でしたが、歴史の古い港町で、戦国期には阿波水軍森氏の本拠地でした。陸路が閉ざされ深く切り込んだ入江が要害として適していたのでしょう。
江戸時代になると椿泊は森氏の管理のもと、徳島藩主蜂須賀家が参勤交代の際に使用する船舶をはじめ、その他藩の船運のすべてを担う港町となります。
現在の椿泊町は半島先端の狭い平地に密集した小さな漁港集落ですが、阿南市最大の漁獲高を誇る港でもあるのです。しかしとても想像できません。
古い家並みは、漁協のトラックが出入りする椿泊港からさらに半島の先端に進んだ先にあります。道は次第に軽自動車がやっと通れるほどの道幅に狭まり、山と海の間のわずかな海岸線にそって集落が細長く連なります。
出格子が一見町家風の佇まいを思わせ、風鈴の音が一層風情とかき立てます。
高い堤防に囲まれてはいますが、高知県沿岸部の港町に多く見られるような、台風に備えた強固で威圧的な建物は無く、のどかな雰囲気はと考えると。周囲を山で囲まれ深く入り組んだ天然の要害である事は台風や津波にも対応している事を物語っておりさすが、かつて阿波水軍が目を付けた場所である事に感心させられます。
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