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  芦屋
あしや
 古くは国際貿易、藩政時代は福岡藩蔵所として栄えた港町・唐津街道三次之宿場町
 福岡県遠賀郡芦屋町西浜町

 構成:白壁土蔵造り商家建築・平入り町家建築 ■ 駐車場:なし
 
 


北九州市の西に接し町域のおよそ1/3を航空自衛隊芦屋基地が占める芦屋町。
古代には「岡の津」と呼ばれ、大陸貿易で栄えるとともに、鎌倉期には本州赤間関(下関)と博多を結ぶ航路の中間地として重要視され、江戸期には福岡藩の蔵所として遠賀川流域の年貢や生産物が集散する港町として繁栄し「芦屋千軒・関千軒」
と称されるほどの賑わいを見せました。また唐津街道・筑前二十一宿のうちの一つにも指定され、陸海交通の要衝となります。
しかし宝暦13年、堀川運河の完成により藩の蔵所が移転。筑豊炭の唯一の積出港として再出発しますが、それも後に若松に移され町の衰退が始まります。
さらに河口港の運命とも言える土砂の堆積による機能の低下、明治中期の鉄道敷設に対する抵抗は町の衰退を決定づけました。

昭和17年芦屋飛行場が完成し、戦後は米軍に摂取されますが後に航空自衛隊の基地となります。芦屋は基地の町として活気を取り戻すとともに、町の財政を芦屋競艇場が支えています。
廻船業時代を偲ばせる古い街並みは、響灘に接する遠賀川河口先端の西浜町に僅かながら残されています。その中心となるのが白壁の商家建築ですが、周辺は空き地となり「芦屋千軒」と呼ばれた時代の遺構は見る影もありません。
とは言うものの、繁華街の喧騒と切り離された、昭和初期の雰囲気を留めるのどかな町の風景がそこにはありました。