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  奈良本
ならもと
 松本街道・保福寺宿の宿場町
 長野県小県郡青木村奈良本 【長野県】年合併
構成:伝統的古民家・土蔵・商家建築・茅葺き民家(トタン張り) 駐車場:なし
 
 

青木村は城下町として栄えた上田の奥座敷として知られる別所温泉のさらに奥に位置する、郡境の村で、田沢温泉や沓掛温泉などの小さな湯治場が知られています。
村名となった「青木」は松本街道・保福寺道と麻績道の追分に立っていた青木という名の社松に由来します。

奈良本は平坦地の下奈良本と山麓の入奈良本からなり、保福寺道が通る宿場町でもありました。また古代官道の東山道も通った歴史の古い街道集落です。
奈良本の語源は平坦地を意味する「平・なら」への入口という意味で、古くから峠越えを控えた集落であった事が伺えます。保福寺峠を挟んで東麓の奈良本に対し、西麓の宿場町が街道の名にもなった保福寺宿です。

保福寺峠はまた、「日本アルプス」の名付け親でもある英国の登山家ウォルター・ウェストンが保保福寺峠から北アルプス連峰を一望して”日本アルプス”と命名した場所でもあります。

当時、宿場機能があったのは麓の下奈良本のようですが、もはや往時を偲ばせる家並みを見つけることは出来ませんでした。辛うじて家並みや集落が残るのが、保福寺峠へ向かう山麓の入奈良本の市之沢集落です。市之沢は幕末にこの集落を宿場町として整備しようとした庄屋と対立した村民が一揆を起こした事で知られています。
入奈良本・市之沢は、明治まで峠を越える人馬で賑わったと言われています。

 
市の沢集落の保福寺道沿いの民家
市の沢集落には茅葺き型の民家が多い。
入奈良本集落