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はやし
 伊勢別街道と蛭谷街道が交差する街道集落
 三重県安芸郡芸濃町林  【三重県津市林】2006年合併

 構成:伝統的古民家・長屋門・土塀・土蔵・洋風建築 ■ 駐車場:なし
 
 
芸濃町の北端に位置する林地区は、伊勢別街道とそれから分岐する蛭谷街道に沿った集落で、現在もかつて伊勢参り客で賑わったそれらの道を県道が踏襲しています。
林という地名は古く、文献にも林御厨(みくりや)の名があり、鎌倉期から室町期にかけては京の公家領であったらしい。戦国期に林氏の居城が置かれ、その城下町となり、城屋敷や殿町などの地名が今も残ります。
江戸期に入り、津藩領と経て久居藩領となり、東海道坂下宿の助郷となります。
当時の村の長さは1町58間、家数は139軒で人口は603人でした。

伊勢別街道の宿場町としては北の楠原宿と南の椋本宿がありますが、この林は宿場町ではなかったようです。集落は伊勢別街道に沿った南北の筋と、交差する東西の筋に形成されています。東西の町筋の中ほどに建つ洋風建築の芸濃町資料館は、昭和31年に芸濃町が成立した時の町役場でした。6年後に現在の椋本の移転しますが、最初に役所が置かれた事からもこのあたりでも中心的な集落だったのでしょう。

自動車の往来が激しい主要道路からそれている為、集落は静かです。集落は街村形態を成した農村集落であり、街道情緒が色濃く残されています。

 
 
 
芸濃町旧役場