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  椋本
むくもと
 大ムクと往時の旅籠が残る伊勢別街道の宿場町

 三重県安芸郡芸濃町椋本  【三重県津市椋本】2006年合併

 構成:商家・旅籠(現役) ■ 駐車場:なし
 
講社札が往時を偲ばせる角屋旅館


芸濃町の中心市街である椋本は、その昔伊勢別街道・伊勢参宮道の宿場町として栄えた町でした。何度も折れ曲がる街道筋や今も現役の旅籠にその遺構を見ることができます。椋本の地名の由来となる「椋」の木は町内に今も残ります。樹齢1000年以上の大椋の事で国の天然記念物に指定されています。

椋本は古くから伊勢参宮の宿駅として賑わった町ですが、初期の椋本宿は”大椋”の南方に開かれていました。古くよりの街道・中郡道(なかごおりみち)が安濃川沿いを通っていた為ですが、この旧参宮道はやがて廃退し、替わって富久野を経由する伊勢別街道が新しい参宮道として整備されました。それに会わせて宿場町も現在の場所に移転します。移転までの間は町の北方にある楠本宿が宿場の業務を代行しましたが新らしい椋本宿が出来上がると、それを補助する間の宿となります。

江戸期の椋本宿は問屋場や旅籠、茶屋などがあり高札は問屋場の前に置かれていました。町の規模は11町10間で西町・中町・新町に分かれ、家数は273軒、人口は1,160人でした。

多くの参詣客で賑わった最盛期の椋本宿には、約20軒の旅籠や茶屋、問屋場が置かれていたといいます。今も旅館を営む「角屋」の軒先には各地の参宮講の講社札が掲げられ宿場町情緒が残ります。